映像翻訳|海外のテレビ番組や映画の映像翻訳を仕事にするための学校です。多くの修了生、受講生がドラマ、アニメーション、ドキュメンタリー番組など多方面で活躍しています。

日本映像翻訳アカデミー|発見!今週のキラリ☆日本映像翻訳アカデミー|お薦めの映画を紹介!今週の一本

『スクリーミング・マスターピース』
        〜いつも心に音楽を〜 by 柳原 須美子

今回は、アイスランドの音楽シーンを描いたドキュメンタリー「スクリーミング・マスターピース」を紹介させてください。普段は“石橋が割れるまで叩いてから渡る”タイプの私を、ある衝動に走らせてくれた映画です。

この映画の舞台となったアイスランド共和国。人口わずか30万人のこの島国には音楽学校が約90校もあり、首都レイキャヴィクには至る所にライブハウスがあります。人口と音楽学校の数を考えるだけでも、国民の誰もがミュージシャンと言っても過言ではないのでしょうね。人々の生活に音楽がしっかりと根付いているのです。この映画は、アイスランドに存在する数々のミュージシャンのインタビューとライブシーンで構成されています。

映画の冒頭を飾るのは、アイスランドの大自然とシガー・ロス(注1)のライブ音源。青みがかかった映像と轟音が幻想的な雰囲気をかもしだしています。この冒頭こそが自然と音楽に溢れたアイスランドを一番象徴している場面なんだろうと思います。

アイスランドのミュージシャンで一番有名なのは何と言ってもビョーク(注2)でしょう。子供の頃、初めて彼女の歌を聴いた時、野性的なオーラを放つ彼女の歌声に恐れおののいたことを覚えています。類まれなる声量を誇るビョークは“子供の頃、歩きながら歌っていたから、自然と声量が鍛えられたのかもしれないわね”と語っています。大いなる自然に恵まれ、自由に音を鳴らすことができる環境が整っていたのでしょうね。

映画が終わった途端アイスランドの虜になってしまった私は、さっそく調べ物を開始しました。ホームページを渡り歩き、図書館でアイスランドについての文献を読みふけったのです。そしてとうとう“アイスランドに行かなきゃ”と一大奮起。ある旅行会社の説明会に参加するべく、アイスランド大使館に向かいました。
結局、現実的な問題に阻まれ、今年のアイスランド行きは諦めざるを得なかったのですが、説明会に参加して私のアイスランド熱はさらにヒートアップ。いつか必ず訪れたいと思っています。

この作品に出会うまで、私にとってアイスランドは未知の世界でした。子供の頃、「E.T.」を見てアメリカに憧れたように、今の私はアイスランドに魅せられています。

映画を見て、こんな衝動に駆られた経験、皆さんにもありますか?


注1)シガー・ロス
ポスト・ロックとも呼ばれる、いまやアイスランドを代表する4人組のバンド。

注2)ビョーク
アイスランド人のシンガー・ソングライター兼マルチ・ミュージシャン。


●『スクリーミング・マスターピース』
出演: ビョーク、シガー・ロス、ムームアパラット・オルガン・カルテット 他
監督: アリ・アレクサンダー
イルギス・マグヌッソン
製作年: 2005年
製作国: アイスランド