映像翻訳|海外のテレビ番組や映画の映像翻訳を仕事にするための学校です。多くの修了生、受講生がドラマ、アニメーション、ドキュメンタリー番組など多方面で活躍しています。

日本映像翻訳アカデミー|発見!今週のキラリ☆日本映像翻訳アカデミー|お薦めの映画を紹介!今週の一本

『アルカトラズからの脱出』 by 石井清猛

アクション映画がない人生が今の人生と全く違ったものになってしまうと痛いほど自覚している私たちですら、忙しい毎日の生活の中で、優れたアクション映画が持つ多様で豊かな表情をつい忘れてしまいがちです。
残念ながら私たちの人生において、爆破や銃撃戦やカーチェイスや超能力、あるいはカンフーファイトや“バレットタイム”がなくてもアクション=活劇が成立し得ることを思い出す機会は、私たちが考えるよりずっと少ないのです。

製作から30年近く経つこの作品が今も新しい観客を魅了し、何度も見直され、事あるごとに話題に上り続けるのは、この映画が、そんな貴重な機会を与えてくれる数少ない作品のひとつだからかもしれません。

何しろ『サンダーボルト』で20mm砲を使って分厚い金庫の扉を吹き飛ばし、のちの『ファイヤーフォックス』で旧ソ連の最新鋭戦闘機を乗っ取ってまんまと亡命を遂げることになるクリント・イーストウッドが、ここで手にしているのは1本のスプーンだけ。
“最終刑務所”の異名を持つ厳重警戒の刑務所から脱獄するため、彼は溶接加工したスプーンで監房の壁を削るのです。
ただひたすら、毎日欠かさず、少しずつこつこつと。

刑事アクションの金字塔『ダーティー・ハリー』を生んだ名コンビ、ドン・シーゲルとクリント・イーストウッドが前作から8年ぶりに手を組んだのが、この『アルカトラズからの脱出』でした。
サンフランシスコ湾を臨むアルカトラズ島で巨大な要塞のような威容をさらしたアルカトラズ連邦刑務所を舞台に、“絶対不可能”とまで言われていた脱獄に挑んだ4人の囚人の物語を、実話を基に描いた傑作アクションです。

フランク・モーリスは1960年1月18日の嵐の夜、アルカトラズ連邦刑務所へ収監される。四方を潮流の速い海に囲まれ厳重な警備体制が敷かれたこの刑務所は、全米から問題のある囚人ばかりが集められた“最終刑務所”だった。
ウォーデン所長に目をつけられながらも、気を許せる仲間たちと知り合うモーリス。
ある日、モーリスは凶暴な囚人ウルフとの乱闘騒ぎを起こして懲罰房に入れられるが、数日後にそこから出された彼は、ある計画を思いつく。
昔の刑務所仲間アングリン兄弟と食堂で偶然再会したモーリスは、脱獄計画を実行に移す決心を固めるのだった…。

豪雨の中、護送用のボートでアルカトラズ島に渡ってくるモーリス=イーストウッドの罪状や来歴はついに明かされることがなく、その寡黙に計画を遂行する姿は『荒野のストレンジャー』や『ペイルライダー』で彼が演じた“名もなき男”を彷彿とさせます。
もちろんこの映画では、それらの西部劇のクライマックスで描かれたような倒すべき敵を倒す一騎打ちを見ることはできませんが、嵐の海から現れ、やがて闇夜の海に消えるイーストウッドの姿はどこか、謎のガンマンと重なるのです。

モーリスが仲間と共に脱獄計画を進めていく映画後半の描写は圧巻のひと言で、スプーンで壁を削り、即席紙粘土で顔型を作り、掘った穴を隠すカモフラージュを採寸し、またスプーンで壁を削り、崩れたセメントを散歩中にこっそりと捨て、また壁を削り、といったディテールが緻密に積み重ねられ、そのすべてが見る者をつかんで離しません。
モーリスが仲間たちと打ち解けていく様子を描いて、気の抜けたコメディのような、何となくユーモラスな印象すら残す前半部と鮮やかな対照をなしています。

もうひとつ忘れられないのはサウンドトラックです。ジェリー・フィールディングによる低く唸るノイズのようなスコアは、サスペンスフルというよりむしろ、観客の恐怖心を煽り立てているかのよう。そして実際この映画には、ほとんど“ホラー的”と言える瞬間が仕掛けられているのです。

監房の中で黙々と脱獄の準備を進めるイーストウッドが、顔型の出来栄えを見ようと鏡をかざす場面。ゆっくりと鏡の角度を変えていく彼が、そこに見たものは…?

どれだけ恐ろしいものが映っていたか知りたい方、あるいは思い出したい方は、さあ、ためらっていてはいけません。お近くのDVDレンタル店へ急ぎましょう!


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●『アルカトラズからの脱出』
出演:クリント・イーストウッド、パトリック・マクグーハン他
製作、監督:ドン・シーゲル
脚本:リチャード・タッグル
撮影:ブルース・サーティーズ
製作年:1979年
製作国:アメリカ
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 6月になり、いよいよ梅雨がやってきました。
 毎日家にこもりがちなシーズンですが、こんな時こそ1つ
 のことにじっくり集中してみてもいいかもしれませんね。
 というわけで、6月は梅雨の名脇役(?)、カタツムリに
 ちなんで“コツコツ続けていること”がテーマです。

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『真実の行方』 by 浅野一郎

ここ数年、物忘れが激しくなりました… 誰かと映画の話をしていても、“あの俳優、なんていう名前だっけ? ほら、あの俳優だよ!”という会話が多くなりました。しかし不思議なもので、なぜか難しい名前ほど覚えているんですね。中でも絶対に忘れないのが、『ユージュアル・サスペクツ』の“コバヤシ”役でお馴染みの「ピート・ポスルスウェイト」。どんな時でも彼の名前だけはサッと口に上ります。
逆に絶対に覚えられないのが、「エドワード・ノートン」。私のヒーロー、クリント・イーストウッドの次に大好きな俳優なのに、今も思いだすのに苦労しました… 字面だけ見てもピートの方がよっぽど、難易度は“高”だと思うのですが、不思議ですね。というわけで、ノートンの名前だけは忘れないように、機会があるたびにコツコツ復誦しています。

さて、そんなエドワード・ノートンの出演作で、私の脳裏に強烈な印象を植え付けている作品があります。ノートンが大司教の侍者アーロンを演じた『真実の行方』です。
あどけない表情の下に隠れた悪魔の仮面が一気に現れるシーンでは、映画だと分かっていても、ゾッ…とします。ラストのどんでん返しまでグイグイ引き込まれること間違いなしの秀作です。
ノートンはこの作品でゴールデン・グローブ助演男優賞など各賞に輝き、その後も『アメリカン・ヒストリーX』や『25時』等のインパクトの強い作品に出演し高い評価を得ています。
まだ見たことがない方は是非、ご覧になってみてください。ストーリーもさることながら、ノートンの演技にほれぼれしますよ。


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『真実の行方』
監督: グレゴリー・ホブリット
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演: リチャード・ギア、ローラ・リニー、エドワード
・ノートン他
製作年: 1996年
製作国: アメリカ
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『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』 by 藤田彩乃

日本で5月といえばゴールデンウィークのイメージがありますが、残念ながらアメリカにはありません。少し意外ですが、祝日の数はアメリカのほうが格段に少ないんです。5月の祝日は最終月曜日のメモリアルデーのみ。戦没者を追悼する日です。つまり今週末は久々の3連休! 多くの人が映画館に足を運ぶことでしょう。

そんな連休を控えたアメリカで、22日『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』が公開されました。前作『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』から19年。脚本が気に入らないことを理由に出演を拒み続けてきたハリソン・フォードがついに承諾。ファンが待ちに待った公開です。

ロサンゼルスのテレビでは過去3作品はもちろん、関連番組がひっきりなしに放送されています。しっかりおさらいして、公開初日、朝一番に映画館へ向かいました。

ネタバレしては台無しになってしまうのでストーリーの詳細は伏せますが、物語の舞台は現実と同様、前作から19年が経過した1957年。第二次世界大戦が終わり、ナチスは崩壊。冷戦に突入した時代です。インディは青年マットとの出逢いをきっかけに、伝説のクリスタル・スカルを探す冒険に出発します。ナスカの地上絵のあるペルーから始まり、ニューメキシコ、イグアスの滝と各地を駆け巡るインディ。クリスタル・スカルの持つパワーを手に入れようとするソ連軍の諜報員スパルコに行く手を阻まれながら、マヤ文明の残した謎に挑みます。

諜報員のスパルコを演じるのはアカデミー賞の常連ケイト・ブランシェット。ロシア語なまりの英語での好演が光っています。正直インディの劣化は否めませんが、派手なアクションシーンは健在。相変わらず豪快に敵を車からぶっ飛ばしています。断崖絶壁でのカーチェイス、大規模な爆発、CG技術を駆使した迫力ある映像など見所は満載。ハラハラドキドキの2時間です。会話のあちこちに散りばめられたインディらしいユーモアはもちろん、インディのヘビ嫌いをネタにしたシーンもあり、きっと笑みがこぼれることでしょう。

東京ディズニーシーのアトラクション「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」に乗ったことがある人は、「アトラクションで見たあれは、このシーンだったのか!」と別の楽しみ方もできるはず(順番が違う気もしますが)。

過去3作品の登場人物も出てきますので、忘れている人はおさらいしてから観ることをオススメします。少なくとも『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』は見たほうがいいかも。巨匠ジョン・ウィリアムズによるあのテーマ曲を聴けば、ファンでなくてもワクワクしますよね。日本公開は2008年6月21日です。お楽しみに!

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『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作総指揮:ジョージ・ルーカス
      キャスリーン・ケネディ
脚本:デヴィッド・コープ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ハリソン・フォード、ケイト・ブランシェットほか
製作年:2008年
製作国:アメリカ
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