映像翻訳|海外のテレビ番組や映画の映像翻訳を仕事にするための学校です。多くの修了生、受講生がドラマ、アニメーション、ドキュメンタリー番組など多方面で活躍しています。

日本映像翻訳アカデミー|発見!今週のキラリ☆日本映像翻訳アカデミー|お薦めの映画を紹介!今週の一本

「ギラリ☆プロ魂」 by 浅野一郎

“猛暑”という言葉が生ぬるく感じられる今日この頃。外出する際は3枚のタオルハンカチを常備している浅野です。

先日、感動して涙が出そうになったメールをもらいました。お盆休み期間中に発生する可能性のある仕事について、修了生にスケジュールを聞いた際の返信です。“この夏はプロジェクトに捧げる所存です。何でもやります!”という内容でした。ちなみに、このメールをくれたのは、比較的、修了して間もない方です。

皆さん、このメールをどう思いますか? 文面はとてもカジュアルですが、私はここに凄まじいまでの覚悟と決意を感じます。皆さんは、ここまでの決意があると胸を張って言えますか? もちろん、考え方は人によって様々でしょうから、この姿勢を強要するわけではありません。

ただ、一つ強く心に留めていただきたいのは、「プロを目指す、プロになる」という強い信念を持って、頑張っている修了生がいる、旅行や遊びの計画をつぶして、今夏は仕事に打ち込む覚悟をしている修了生がいるということです。
映像翻訳のオファーはもらったけど、友達と遊びたいから、あるいは映画・ドラマの字幕の仕事ではないから断ろうかなという意識が働いたら、思い出してください。犠牲を厭わず仕事を獲得しようとしている人がいることを。

太陽は、沈んでも次の日には必ずまた昇りますが、仕事はそうではありません。逃してしまったら、次はいつくるか分かりません。どうか一つ一つのチャンスを大切にしてください。
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今月のブログのテーマは、太陽。
思えば子供の頃、画用紙に絵の具で描いた太陽はいろんな色をしていましたっけ。オレンジだったり、黄色だったり、もちろん真っ赤だったり、ひょっとしたら白だったこともあったかも。
8月の現状を照りつける太陽は、太古の時代から現在に至るまで私たちをインスパイアしてやまない大いなる光。まさに生命のミューズです。
さて、画用紙を前にしたあなたは、今ならどんな色で太陽を描きますか?
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『バグダッド・カフェ』 by 柳原須美子

“退屈な時間”で彩られた、私の学生時代。手帳は、予定を書くためではなく、何も約束されていない一日に起こった出来事を書き留めるためのものでした。日々、何を期待するでもなく、また何に失望するでもなく、ただ、過ぎていく時間に身を任せていたあの頃。“退屈”がもたらしてくれる時間に何となく興奮しながら日々を過ごしていました。“退屈”という言葉は、状況によって様々なニュアンスを持つと思いますが、ここで私が言う“退屈”は限りなくポジティブな意味を持ちます。そんなとびきり“退屈”な時間を共に過ごした仲間から薦められて見た映画「バグダッド・カフェ」について、ちょっと語らせてください。

この映画を語るのに欠かせないのは、ジェヴェッタ・スティールが歌う主題歌「コーリング・ユー」、そして登場人物を表情豊かに照らす太陽の光でしょう。この映画で描かれているのは、平たく言えば“バグダッド・カフェ”というさびれたモーテルで繰り広げられる“きっとどこにでも有り得る退屈な日常”であり、物語自体はとても淡々と進んでいきます。しかし本作を観ていると、日常とはとても鮮やかで、驚きと発見に満ちたものだということに気づかされます。登場人物の心を読むかのように降り注ぐ太陽の光、そして随所で挿入される主題歌が、そんな素敵な発見へと観る者を導いていてくれるからです。

ここで冒頭部分を少しご紹介しましょう。

映画は、車でラスベガスに向かうドイツ人夫婦がケンカ別れするところから始まります。1人、車を降り、砂漠の一本道を歩き始める夫人のジャスミン。ここでいきなり「コーリング・ユー」が流れ出します。まるで、ジャスミンの背中を押すかのように。
ちょうど2度目のサビにさしかかったところで、ジャスミンはふと足を止め、空を見上げます。そこでジャスミンの目に映ったのは、空に瞬く太陽の光でした。ジャスミンは静かに来た道を振り返り、何かを決意したかのようにまた空を見上げます。そして深呼吸をし、再び歩き始めます。尺にして実に1分足らずのこのシーン。観るたび、涙で鼻の奥がツーンとしてしまうのはなぜでしょうか。このシーンでジャスミンは、ただ歩いていただけなのです。

やがてジャスミンはバグダッド・カフェに辿り着き、女主人のブレンダと子供たち、そして周囲の住民との人間関係を築いていきます。その過程で、小さな事件は起こったりしますが、それらはすべて日常レベルの出来事。息を飲むような展開はどこにもありません。しかし、淡々と続いていく彼らの日常に引き付けられてしまうのはきっと、そこに太陽と主題歌があるから。人生とは決しておおげさなものではないのだろうけど、ちょっと視点を変えるだけで驚きに満ち溢れたものになるんだと思わされます。人知れず懸命に生きる人々の表情は、太陽の光に照らされてドラマチックに浮かび上がり、また、各シーンに寄り添う主題歌が、光の動きとやけにマッチしていて、思わず涙が出そうになるのです。

この映画は日々の生活に刺激が欲しくなった時にこそ観るべき!
「バグダッド・カフェ」を観て、退屈な日常にちょっと興奮してみませんか?

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『バグダッド・カフェ』
監督:パーシー・アドロン
出演:マリアンネ・ゼーゲブレヒト、CCH・パウンダー他
製作年:1989年
製作国:西ドイツ
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「July Gloom」 by 藤田彩乃

先週、ロサンゼルスから帰国しました。それにしても日本の夏は蒸し暑い…。外をを10分歩いただけで汗だく。もう溶けそうです。一方、現在のロサンゼルスの気候はというと、7月にもかかわらず、かなり涼しく過ごしやすいです。

一年中温暖で過ごしやすいロサンゼルスですが、特に海沿いは日差しは強いものの、冷たい海風のおかげで夏でも快適に過ごせます。エアコンがついていないアパートも少なくありません。しかし、同じロサンゼルスでも内陸部や、Santa Monica Mountainsより北のValleyと呼ばれる地域では、山が海風をさえぎってしまうため乾燥した暖かな風が吹き、場合によっては気温が海沿いよりも10度以上高くなります。

そんなロサンゼルスですが、長年、6月には曇りの日が続くとされてきました。英語では「June Gloom」と呼ばれ、暑さに辟易している地元の人の中には、この「June Gloom」の時期が好きな人も多いです。

しかし、最近はそれが7月にずれこみ、「July Gloom」になってきているように感じます。スカッと晴れるはずの7月に曇り、昔より湿気も多くなってきたとか。世界的な異常気象や気候の変化と関係があるのでしょうね。

ロサンゼルスの街を遠くから眺めるとスモッグの層がくっきり見えます。そのスモッグに映る夕焼けは皮肉にも美しく、それを見るたびに複雑な気持ちになってしまいます。

とはいうものの、ロサンゼルスの周りにはまだ豊かな自然が残っています。その美しい景色が失われることのないよう、自分にできることを続けていこうと思います。