「発見!今週のキラリ☆」vol.34
2008.06.13
「泳ぐこと、泳ぎ続けること」 by 桜井徹二
僕は物事を判断したり納得するのに、人一倍時間がかかるほうだ。そして日々の暮らしの中でやりたいこと、やりたくないことがわりとはっきりしている。だから新しいことにあれこれと挑戦するよりも、1つのことにじっくりと取り組むほうが性格的に向いているし、これまでも実際にそうしてきた。
その1つが水泳だ。8年前からプールに通い始め、それから短い中断期間をはさみながら、平均して週に4〜5日ほど泳ぎ続けてきた。完全に独学なので、はっきり言って大したスイマーではない。でも8年間、誰に頼るでもなく自分1人の力でこつこつと泳ぎ続けてきたことは、僕にとって数少ない誇るべき事柄の1つだ。
今では1〜2キロくらいならあまり苦もなく泳げるけれど、8年前にジム通いを始めた頃は、クロールに関しては15メートルも泳げなかった。僕は間違いなくカナヅチだったのだ。子供のころは、水泳の授業が何よりも嫌いだった。
しかしそれなりの大人になったころ、ふとした思い付きでジムに通い始めた(今となってはその理由ははっきりとは思い出せない)。僕は泳法を解説したテキストを熟読し、上手な人の泳ぎを観察し、何より足しげくプールに通うことで、徐々に正しい泳ぎ方を身につけていった。土台がほぼゼロだっただけに、泳げる距離は着実に伸びていった。大人になってからでも日々目に見えて成長できることがあるという事実に、心底驚かされた。
ある程度泳げるようになったころに、熱が冷めかけたこともある。だが改めて泳ぎ方を変えてみたり、より高度なテクニックを取り入れてみると、そこにまた新たな地平が開けた。そうしているうちに気が付けば8年が経ち、今では泳ぐことは僕の日常の一部となった。
水に入ると、まずはその日の調子を確かめるためにゆっくりと泳ぎ始める。そして今日も大丈夫だ、とわかると少しずつペースを上げる。泳いでいる間、聞こえるのは水の音だけだ。手足は淡々と一定のリズムを刻み続ける。
もし物好きな誰かに「なぜ泳ぐのか?」と問われたとしたら、迷わず「楽しいから」と答えるだろう。健康維持のためでも、やせるためでも、筋肉をつけるためでもない。そこはかとなくシンプルな理由だ。でもそれが一番大切なことだと、ひそかに思ってもいる。
* * *
先月よりMTC(旧・翻訳センター)のメンバーとなりました。どうぞよろしくお願いします。ちなみに水泳についてはMTCで勤務を始めてからは一時中断していますが、近々再開するつもりです。
僕は物事を判断したり納得するのに、人一倍時間がかかるほうだ。そして日々の暮らしの中でやりたいこと、やりたくないことがわりとはっきりしている。だから新しいことにあれこれと挑戦するよりも、1つのことにじっくりと取り組むほうが性格的に向いているし、これまでも実際にそうしてきた。
その1つが水泳だ。8年前からプールに通い始め、それから短い中断期間をはさみながら、平均して週に4〜5日ほど泳ぎ続けてきた。完全に独学なので、はっきり言って大したスイマーではない。でも8年間、誰に頼るでもなく自分1人の力でこつこつと泳ぎ続けてきたことは、僕にとって数少ない誇るべき事柄の1つだ。
今では1〜2キロくらいならあまり苦もなく泳げるけれど、8年前にジム通いを始めた頃は、クロールに関しては15メートルも泳げなかった。僕は間違いなくカナヅチだったのだ。子供のころは、水泳の授業が何よりも嫌いだった。
しかしそれなりの大人になったころ、ふとした思い付きでジムに通い始めた(今となってはその理由ははっきりとは思い出せない)。僕は泳法を解説したテキストを熟読し、上手な人の泳ぎを観察し、何より足しげくプールに通うことで、徐々に正しい泳ぎ方を身につけていった。土台がほぼゼロだっただけに、泳げる距離は着実に伸びていった。大人になってからでも日々目に見えて成長できることがあるという事実に、心底驚かされた。
ある程度泳げるようになったころに、熱が冷めかけたこともある。だが改めて泳ぎ方を変えてみたり、より高度なテクニックを取り入れてみると、そこにまた新たな地平が開けた。そうしているうちに気が付けば8年が経ち、今では泳ぐことは僕の日常の一部となった。
水に入ると、まずはその日の調子を確かめるためにゆっくりと泳ぎ始める。そして今日も大丈夫だ、とわかると少しずつペースを上げる。泳いでいる間、聞こえるのは水の音だけだ。手足は淡々と一定のリズムを刻み続ける。
もし物好きな誰かに「なぜ泳ぐのか?」と問われたとしたら、迷わず「楽しいから」と答えるだろう。健康維持のためでも、やせるためでも、筋肉をつけるためでもない。そこはかとなくシンプルな理由だ。でもそれが一番大切なことだと、ひそかに思ってもいる。
* * *
先月よりMTC(旧・翻訳センター)のメンバーとなりました。どうぞよろしくお願いします。ちなみに水泳についてはMTCで勤務を始めてからは一時中断していますが、近々再開するつもりです。
「今週の1本!」vol.34
2008.06.06
o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o
6月になり、いよいよ梅雨がやってきました。
毎日家にこもりがちなシーズンですが、こんな時こそ1つ
のことにじっくり集中してみてもいいかもしれませんね。
というわけで、6月は梅雨の名脇役(?)、カタツムリに
ちなんで“コツコツ続けていること”がテーマです。
o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o
『真実の行方』 by 浅野一郎
ここ数年、物忘れが激しくなりました… 誰かと映画の話をしていても、“あの俳優、なんていう名前だっけ? ほら、あの俳優だよ!”という会話が多くなりました。しかし不思議なもので、なぜか難しい名前ほど覚えているんですね。中でも絶対に忘れないのが、『ユージュアル・サスペクツ』の“コバヤシ”役でお馴染みの「ピート・ポスルスウェイト」。どんな時でも彼の名前だけはサッと口に上ります。
逆に絶対に覚えられないのが、「エドワード・ノートン」。私のヒーロー、クリント・イーストウッドの次に大好きな俳優なのに、今も思いだすのに苦労しました… 字面だけ見てもピートの方がよっぽど、難易度は“高”だと思うのですが、不思議ですね。というわけで、ノートンの名前だけは忘れないように、機会があるたびにコツコツ復誦しています。
さて、そんなエドワード・ノートンの出演作で、私の脳裏に強烈な印象を植え付けている作品があります。ノートンが大司教の侍者アーロンを演じた『真実の行方』です。
あどけない表情の下に隠れた悪魔の仮面が一気に現れるシーンでは、映画だと分かっていても、ゾッ…とします。ラストのどんでん返しまでグイグイ引き込まれること間違いなしの秀作です。
ノートンはこの作品でゴールデン・グローブ助演男優賞など各賞に輝き、その後も『アメリカン・ヒストリーX』や『25時』等のインパクトの強い作品に出演し高い評価を得ています。
まだ見たことがない方は是非、ご覧になってみてください。ストーリーもさることながら、ノートンの演技にほれぼれしますよ。
─────────────────────────
『真実の行方』
監督: グレゴリー・ホブリット
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演: リチャード・ギア、ローラ・リニー、エドワード
・ノートン他
製作年: 1996年
製作国: アメリカ
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6月になり、いよいよ梅雨がやってきました。
毎日家にこもりがちなシーズンですが、こんな時こそ1つ
のことにじっくり集中してみてもいいかもしれませんね。
というわけで、6月は梅雨の名脇役(?)、カタツムリに
ちなんで“コツコツ続けていること”がテーマです。
o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o
『真実の行方』 by 浅野一郎
ここ数年、物忘れが激しくなりました… 誰かと映画の話をしていても、“あの俳優、なんていう名前だっけ? ほら、あの俳優だよ!”という会話が多くなりました。しかし不思議なもので、なぜか難しい名前ほど覚えているんですね。中でも絶対に忘れないのが、『ユージュアル・サスペクツ』の“コバヤシ”役でお馴染みの「ピート・ポスルスウェイト」。どんな時でも彼の名前だけはサッと口に上ります。
逆に絶対に覚えられないのが、「エドワード・ノートン」。私のヒーロー、クリント・イーストウッドの次に大好きな俳優なのに、今も思いだすのに苦労しました… 字面だけ見てもピートの方がよっぽど、難易度は“高”だと思うのですが、不思議ですね。というわけで、ノートンの名前だけは忘れないように、機会があるたびにコツコツ復誦しています。
さて、そんなエドワード・ノートンの出演作で、私の脳裏に強烈な印象を植え付けている作品があります。ノートンが大司教の侍者アーロンを演じた『真実の行方』です。
あどけない表情の下に隠れた悪魔の仮面が一気に現れるシーンでは、映画だと分かっていても、ゾッ…とします。ラストのどんでん返しまでグイグイ引き込まれること間違いなしの秀作です。
ノートンはこの作品でゴールデン・グローブ助演男優賞など各賞に輝き、その後も『アメリカン・ヒストリーX』や『25時』等のインパクトの強い作品に出演し高い評価を得ています。
まだ見たことがない方は是非、ご覧になってみてください。ストーリーもさることながら、ノートンの演技にほれぼれしますよ。
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『真実の行方』
監督: グレゴリー・ホブリット
音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演: リチャード・ギア、ローラ・リニー、エドワード
・ノートン他
製作年: 1996年
製作国: アメリカ
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「発見!今週のキラリ☆」vol.33
2008.05.30
「2駅先で下車のすすめ」 by 柳原須美子
私の家には車がありませんでした。そんな我が家の主な移動ツールは自転車。休日に出かける時は、家族全員で自転車にまたがり、田舎道を思い切り占領しました。そんな休日は大抵、行き先を告げられることなくスタートします。私は補助輪のついた自転車をこぎながら、知らない道をグングン進んでいく父親の後ろ姿を眺めていました。“家に帰れなかったら、どうしよう。お父さんは、ちゃんと道を覚えているのだろうか…”とドキドキしながら。父親は、不安な表情を浮かべる私を気遣ってか、“だーいじょーぶだー”と、志村けんのモノマネをしてくれたりしましたが、私はいつも泣きそうになりながら自転車をこいでいました。
しかし、大人になった今、お気に入りの休日の過ごし方は“知らない場所を歩き回ること”。子どもの頃、散々怖がっていた“知らない道”や“行ったことがない場所”に興奮を覚えるようになりました。両親が私の潜在意識に刷り込んでくれた“ウキウキ感”を楽しませていただいております。
先日、通勤電車から見えた“森”に行ってみました。上京する前は、“東京には緑がないんだろうな…”と思っていたのですが、これが結構あるんですね。私が先日訪れたその森は、ある住宅地にあります。その森は、どうしてそこにあるのかよく分からないというか何というか、ある種、異様な存在感を放っています。何年も前からそこにあったはずなのに、ある日突然フワッと生まれたような、そんな不思議な雰囲気に包まれた森。東京の風景からは少し浮いていて、今にも「風の又三郎」が出てきそうな感じ。少しビクビクしながら、私は森に足を踏み入れました。“誰かの所有地だったら、どうしよう…”と不安に思いながら。(心配性なのは、子どもの頃から変わっていないようです・キラリ☆)しかし、森に入った途端、そんな心配は吹き飛びました。湿った空気を胸いっぱい吸い込みリフレッシュ。木の間でキラキラ光る空を仰いでウットリ。そしてその森は、実は私がいつも使っている駅から2駅の場所にあるってことに、何だかびっくり。
休日、何もすることがないとお思いの方、嘆くことなかれです。最寄り駅から2駅先で下車してみてください。そこから見える景色が思わぬ発見をもたらしてくれるかもしれません(私が森で発見したこと、それは木の間から見える空は、いつもより青いということ!)。そして、その発見や驚きが、何よりの癒しになること、間違いなしです。
私の家には車がありませんでした。そんな我が家の主な移動ツールは自転車。休日に出かける時は、家族全員で自転車にまたがり、田舎道を思い切り占領しました。そんな休日は大抵、行き先を告げられることなくスタートします。私は補助輪のついた自転車をこぎながら、知らない道をグングン進んでいく父親の後ろ姿を眺めていました。“家に帰れなかったら、どうしよう。お父さんは、ちゃんと道を覚えているのだろうか…”とドキドキしながら。父親は、不安な表情を浮かべる私を気遣ってか、“だーいじょーぶだー”と、志村けんのモノマネをしてくれたりしましたが、私はいつも泣きそうになりながら自転車をこいでいました。
しかし、大人になった今、お気に入りの休日の過ごし方は“知らない場所を歩き回ること”。子どもの頃、散々怖がっていた“知らない道”や“行ったことがない場所”に興奮を覚えるようになりました。両親が私の潜在意識に刷り込んでくれた“ウキウキ感”を楽しませていただいております。
先日、通勤電車から見えた“森”に行ってみました。上京する前は、“東京には緑がないんだろうな…”と思っていたのですが、これが結構あるんですね。私が先日訪れたその森は、ある住宅地にあります。その森は、どうしてそこにあるのかよく分からないというか何というか、ある種、異様な存在感を放っています。何年も前からそこにあったはずなのに、ある日突然フワッと生まれたような、そんな不思議な雰囲気に包まれた森。東京の風景からは少し浮いていて、今にも「風の又三郎」が出てきそうな感じ。少しビクビクしながら、私は森に足を踏み入れました。“誰かの所有地だったら、どうしよう…”と不安に思いながら。(心配性なのは、子どもの頃から変わっていないようです・キラリ☆)しかし、森に入った途端、そんな心配は吹き飛びました。湿った空気を胸いっぱい吸い込みリフレッシュ。木の間でキラキラ光る空を仰いでウットリ。そしてその森は、実は私がいつも使っている駅から2駅の場所にあるってことに、何だかびっくり。
休日、何もすることがないとお思いの方、嘆くことなかれです。最寄り駅から2駅先で下車してみてください。そこから見える景色が思わぬ発見をもたらしてくれるかもしれません(私が森で発見したこと、それは木の間から見える空は、いつもより青いということ!)。そして、その発見や驚きが、何よりの癒しになること、間違いなしです。


